心理系大学院受験について 内部進学と外部進学のメリット・デメリット
皆さんこんにちは!
筆者は現在、心理系大学院に通っている院生です。
臨床心理士の需要の増加、公認心理師の創設といった流れの中で、心理系大学院を目指している人も多いことでしょう。
しかし、大学院入学までは狭き門…。
内部進学にしろ、外部進学にしろ、難しいことには変わりありません。
そこで、筆者が大学院に合格するまでに、どのように進路を決定したのか、どのように勉強したのか、入ってみてから実際どうだったのか、などを紹介したいと思います!
皆様の不安が晴れたなら幸いです✨
今回は進路決定について紹介していきます!
メリットとデメリットについてそれぞれ挙げているので、ぜひ参考にしてください。
<進路決定について>
では、まず進路決定についてですが、
①今通っている大学の大学院に進学する内部進学
②今通っている大学とは別の大学院に進学する外部進学
があります。
①内部進学
<内部進学のメリット>
ではまず、内部進学のメリットについてです。
具体的には、
・内部生推薦枠があることがある
・入試傾向が分かりやすい
・面接で有利になりやすい
・入学してから馴染みやすい
といったことが挙げられます。
特に、入試傾向が分かりやすいという点が大きなメリットです。内部生の強みは、教授陣の研究内容が分かっていること、定期テストや授業で教授の問題の出し方が分かっていることにあります。
「○○先生は、こういった問題の出し方が多い」とか、「○○先生はこの分野の問題が多い」といったことを、普段の授業から拾い出して分析してください。
そして、それを過去問と照らし合わせると、見えてくる傾向があるはずです。
また、面接に有利というのは、表立った有利さではありませんが、確かに存在します。なぜなら、外部生と違い、内部生は、教授陣があなたの人となりをある程度知っていてくれています。
特に卒業論文の指導教員や、ゼミの先生には、あなたの熱意や努力を知ってもらえるチャンスがあります。
筆者は外部進学しましたが、面接ではやはり熱意や根性を見られていたように思います。内部進学した子の話を聞いてみると、内部進学した子は熱意があるという前提で面接が行われていたようでした。
つまり、外部生よりも面接で試される部分が若干少ないのです。
そして、最後の入学してから馴染みやすい、というのは大きなメリットでしょう。
心理系大学院は、実習が多く、授業内容も課題が山盛りであるなど、大変辛いものです。
そういった中で、顔見知りの先生がいること、知っている同期がいること、何より慣れ親しんだ校舎であることは、あなたの心を支えてくれます。
入学すればゴールではありません。
その先の辛い修行の日々に目を向けると、内部進学という選択肢の良さが見えてきます。
<内部進学のデメリット>
では、そんな内部進学のデメリットとは何でしょうか。
それは、成長の機会が外部生よりは少ないということです。
これは筆者の偏見と体験によるものであるため、異論が大いにあると思います。
それを承知したうえで読んでください。
大学院受験の際に内部進学を目指した子は、受験のための準備期間が外部受験を目指した子よりも、大変短いものでした。
そのため、臨床心理学についての知識があまりなく、上記に挙げたような入試傾向を知っていること、面接で試される部分が少ないことを武器に入試を切り抜けた子が多いように見受けられます。
もちろん、そういった子ばかりではないというのは、百も承知です。
ほとんどの子は優秀ですし、臨床心理学の勉強を頑張りたいという気持ちを持って大学院進学をしているのですから、そこに差はありません。
しかし、入学してからの「ぬるま湯感」や、勉強期間が短いことへの劣等感はあるようで、入学してからの頑張りが試されます。そういった面で、デメリットと言えるのではないでしょうか。
また、内部進学とはいえ必ず受かるというわけではないことがデメリットです。
長年通ってきた大学の、慣れ親しんだ先生たちを前にして、不合格ということになれば、相当のショックがあります。
中には、自分の人格を否定されたような気持ちになった子もいました。
それでも、新たに決意して再び受験し、合格した子もいます。
何故自分が不合格となったのかを、内部生であるからこそ知ることができる。
内部生ならではのショックはありますが、それでも大学院進学をしたい場合は、どうか諦めずに頑張ってください。
②外部進学
<外部進学のメリット>
では次に、外部進学のメリットについてです。
具体的には、
・私立から国公立の場合学費が安くなる
・自分の興味関心に近い大学院を選べる
・新しい環境に入っていける
・臨床心理学の知識が幅広くなる
といったことが挙げられます。
外部進学を目指す場合、元々国公立に通っている方はともかくとして、ほとんどの場合学費が問題となってきます。
私立と比べると国公立の学費の安さはとても魅力的ですし、実際に合格してから学費の心配をすることがあまりなくなります(全くないわけではないでしょうが)。
また、自分の興味関心に合わせて大学院を選ぶことになるため、受験期のモチベーションや、入学してからの楽しみが高まります。
学びたいところを深く学べること、好奇心旺盛な皆さんにとっては、とても充実した日々になるのではないでしょうか。
また、新しい環境に入ることは、清濁併せ吞んではいますが、メリットであると考えることができます。
知らない先生、知らない校舎、知らない授業形態…。
新しい環境にさらされるというのは、とても不安で、大変なことです。
ちなみに筆者は知っている人が一人もいないという状況に立たされました。
中には、馴染めるか不安で外部受験をあきらめたい、という方もいるでしょう。
しかし、新しい環境で自分の居場所を確立していく感覚、というのは大切な経験になります。
臨床心理士として社会に出たとき、周囲の人に知り合いがいることは稀でしょう。
そのような中で、自分の居場所をどのようにして確立するか、周囲がどのように受け入れてくれているかを経験していることは、あなたの力になるはずです。
そして、何よりも外部受験のメリットは、臨床心理学の知識が幅広くなる、ということにあると思います。
内部進学と違って、入試傾向は過去問でしか知ることができませんし、教授陣の性格や研究内容なども、HPなどで拾った知識でしか得られません。
過去問で出ていない傾向の問題が突然出されることもあります。
加えて、外部受験の際には、滑り止めのために複数の大学を受験することになるでしょう。
そのため、臨床心理学について、網羅的に、かつ一部はかなり深く勉強することになります。
言い換えると、「どの問題が出てもある程度は答えられる」、「この大学の傾向問題はかなり深く答えられる」といった状態にしておかなければなりません。
内部進学の方がこれをしなくても良い、というわけではありませんが、外部進学をする方は必須事項となります。
そのため、必然的に時間をかけて臨床心理学を勉強することとなり、幅広い知識をつけることとなるのです。
これは、外部進学勢の強みであると考えます。
<外部進学のデメリット>
では、外部進学のデメリットとはなんでしょうか。
・入試傾向がつかみにくい
・勉強時間の確保が難しい
・教授陣の性格や研究内容が詳しくわからない
・雰囲気が肌に合わないことがある
といったことが挙げられます。
入試傾向については、先ほど話した通りです。
過去問からしか情報が得られず、入試の問題傾向が掴みにくいでしょう。
また、複数の大学院を受験するためには、その分多くの勉強時間を確保する必要があり、勉強時間の確保の難しさがデメリットといえます。
内部生とは反対に、教授陣の性格や研究内容が詳しく分からないというのは、大きなデメリットです。
入学してから、指導教員になってもらいたいと考えていた先生と、なんとなく性格が合わないということも起こりえます。
あるいは、研究内容が思っていたのと違い、思っていたほど濃密な指導が受けられなかった、ということもまた、起こりえます。
情報収集が重要ですが、どれだけ調べても、特に臨床心理学の先生方はあまり情報を外に出していないため、どうしても知ることができない部分はあるでしょう。
最後に、入学してからわかることとして、学校の雰囲気が肌に合わない、ということが考えられます。
思っていたよりも生徒からの発言が少ない、自分の考えを必ず言わなければならない、交流が少ない・多すぎるなど、それぞれの個人にとって肌に合わない部分があると思います。
そのため、入学してから合わなくて辛い、ということが生じます。
入試説明会やオープンキャンパスには、できる限り参加し、雰囲気を肌で感じるようにした方が、入学後の不安は少なくなるでしょう。
以上、進路決定について、内部進学と外部進学という視点から紹介しました!
どちらが自分には合っているのか、どちらを選べば自分のためになるのか、考える際の参考にしていただければと思います。
次回は心理系大学院の受験勉強について、体験談を交えて紹介していきます👍
また読んでいただけると嬉しいです!
それでは、また会いましょう(@^^)/~~~
読んでいただきありがとうございました!